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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第八巻(『ケプロン・くろだのこうそう』について)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 頁

青空文庫

この表の結果は、天候によって説明できるものではない。開発計画開始前の二十一年度から二十五年度の間には、冷害の年もはいっている。

減産の理由は、農家戸数からみればよく分るので、第一次計画の開始された昭和二十七年には、北海道の農家は二十三万七千戸あった。それが、昭和三十年には二十三万四千戸に減っている。農業入植を目的として、開発を進めたら、農家戸数が減ったのであるから、まことに妙な結果である。

人口の吸収と食糧の増産とを兼ねさせようとして、農業入植を大いにうたったのであるが、戦後十カ年間に道外から入植したのはわずか六千戸で、そのうち定着したのは、三千八百戸にすぎない。第一次五カ年計画の前にも、いわゆる拓殖費というものがあって、毎年数十億円の金が北海道へはいっていた。そのスローガンは、六万町歩とか、十万町歩とかを開墾して、何万戸かの戦災家族を入れるというのであった。それを五カ年続けて、そのあとさらに第一次五カ年計画を遂行し、十年かかって実際に入植したのは、三千八百戸に終ったのである。

勧告書は、この結果について、「目標自体から見れば、北海道開発の達成率は零であった、といってもいい過ぎではないのである」