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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 頁
「と、とんでもない!」
とあわてる与吉を、お藤はじろりと冷やかに見て、
「とにかく、お前と左の字とは何をもくろんでるか知れやしない。あたしゃこんな性分で中途はんぱなことが大嫌いさ。どうせ袖にされたんだから、これからずっと何かと丹下さまのじゃまをするつもりだよ、もう当分お前をこの家から出さないからね。いいかい、そう思っておいで」
「姐御、そいつあ一つ勘弁願いてえ」
と剽軽に頭をさげながら、与吉が、めいわくそうな、それでいて嬉しそうな顔を隠すように伏せていると、お藤が下からのぞきこんだ。
「お前の、左の字に頼まれて弥生さんをねらっておいでだろうねえ? ところが与の公、あの娘は先日から行方知れずさ」
弥生が行方不明に!
事実、いつぞや雨の朝早く、しょんぼりと瓦町の栄三郎の家を出て以来、弥生は番町の養家多門方へも帰らなければ、その後だれひとり姿を見たものもない……。
生きてか死んでか――弥生の消息はばったりと絶えたのだった。
不審! といえば、もうひとつ。同じ明け方に、この櫛まきお藤は、第六天篠塚稲荷の前で捕り手に囲まれて、すでに危うかったはずではないか、それが、鉄火とはいえ、女の手だけでどうしてあの重囲を切り抜けて、ここにこうして、今つづみの与吉を、なかば色仕掛で柔らかい捕虜にしようとしているのであろう。