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にせんねんせんそう
二、〇〇〇年戦争
海野 十三
線上閱讀海野 十三《二、〇〇〇年戦争(にせんねんせんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,367 字 · 69 頁
「ばかをいえ。不発弾でなかったら、お前の生命は、とっくの昔になくなっているわけじゃないか。不発弾であったのが、どのくらい倖だか、わかりゃしない」
「そういえば、そうですな。とにかく、この上に、まだ転がっていますから、なんならちょっとごらんなすって。私は、すぐ連絡所へ一走りいってまいります」
そういって、モグラ軍曹は、そのまま匐うようにして、塹壕の中を向うへいってしまった。
その後で、カモシカ中尉は、よろよろと立ち上った。そして痛む脚を引き摺ながら、塹壕の斜面についた階段を、くるしそうに登っていった。
トーチカの真下のところには、味方の兵士の屍が、累々と転がっていた。よくまあ、こうも一遍にやられたものだと、感心させられた。そのあたりは、墓場そのものであった。生きている兵士などは、只の一人も見当らなかった。中尉自身が生命をとりとめたことは奇蹟としか思えない。
中尉は、溜息をつきながら、屍のうえを匐っていった。モグラ下士のいったロケット爆弾を一眼見たいと思ったからであった。
くの字形になったベトンの角を一つ曲ると、次の塹壕の突きあたりのところに、なるほどモグラ下士のいったロケット爆弾らしいものが、緑色の巨体を横たえていた。