輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

線上閱讀壺井 栄《二十四の瞳(にじゅうしのひとみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 頁

青空文庫

男先生にとっては、なおのことである。木曜日ごろになると、もう男先生は土曜日の三時間目が気になりだし、そのために、きゅうに気短かになって、ちょっとのことで生徒にあたりちらした。わき見をしたといっては叱りつけ、わすれものをしてきた生徒をうしろに立たせた。

「男先生、このごろ、おこりばっかりするようになったな」

「すかんようになったな。どうしたんじゃろな」

子どもたちがふしぎがるそのわけを、一ばんよく知っている男先生の奥さんは、ひそかに心配して、それとなく男先生を助けようとした。金曜日の夜になると、奥さんは内職の麦稈真田をやめてオルガンのそばに立ち、先生をはげました。

「わたしが生徒になりますわ」

「うん、なってくれ」

豆ランプが、ちろちろゆらぎながら、オルガンと、二人の年より夫婦の姿をてらしているところは、もしも女の子がこれを見たら、ふるえあがりそうな光景である。やみと光りの交錯のなかで先生と奥さんは歌いかわしていた。

ヒヒヒフ ミミミ イイイムイ

奥さんだけが歌い、それにオルガンの調子があうまでにはだいぶ夜もふけた。村はもう一軒のこらず寝しずまっていることで、かえって気がねでもしているように、奥さんは豆ランプを消してから足さぐりで部屋にもどりながら、ほうっとため息をし、ひそやかに話しかけた。