輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
線上閱讀海野 十三《人造人間エフ氏(じんぞうにんげんエフし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 53,879 字 · 109 頁
博士はきっと恐ろしい人だとおもうわ。兄ちゃんは、あの部屋で、博士となにをしていらしたの」
「人造人間エフ氏という骨組だけしかできていない人造人間があるんだよ。そのエフ氏に日本語を教えてやっているんだよ」
正太は、一向平気でもって、そういった。
「まあ、人造人間が日本語を覚えるなんて、ずいぶん変なことね」
「なかなかよく覚えるんだよ。僕が“ずいぶん寒いですね”というと、エフ氏もまたすぐ後から“ずいぶん寒いですね”と、おなじことをいうんだよ。そして僕の声をまねして、おなじような声で喋るんだ。あまりおかしくて、僕吹きだしちゃった」
「まあ――」
「するとエフ氏もまたそのあとで、僕がやったと同じように、ぷーっとふきだしたので、大笑いだったよ。あははは」
「まあ、変ね」
マリ子にとっては、それはおかしいというよりも、むしろ気味のわるいことであった。このときマリ子が、気味わるく感じたことはまちがいではなかったようである。なぜならば、後にこのときのことをもう一度はっきり思いださねばならぬような恐ろしい事件が起ったのであるから。正太は、マリ子のとめるのもきかないで、そののちも、あきもせずに今日一日だけはとか、もう一日だけはなどといいながら、それでも四五日もイワノフ博士のところへ通ったであろうか。