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じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
線上閱讀海野 十三《人造人間エフ氏(じんぞうにんげんエフし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 53,879 字 · 109 頁
「あれっ、強いといばった人が、もはやそんなに弱音をふくんじゃ、やっぱり弱虫の方だね。いいよ、大辻さんはここにおいでよ。僕一人でたくさんだ。一人で行くからいいよ」
正太は、ひとりでどんどん走りだした。
これを見た大辻は、大あわてで、そのあとから不恰好な巨体をゆるがせて、正太についてくる。正太は一生けんめいだ。ものもいわないで、ひたすら人造人間エフ氏とマリ子の足跡とをつたって、いよいよ山ふかく入ってゆく。
いつしか太陽の光は木々の梢によってさえぎられ、夕方のようにうすぐらくなってきた。山の冷気がひんやりとはだえに迫る。名もしれない怪鳥のこえ!
巌にちる血痕
「そんなにのぼっていって、それでいいのかね。横合から人造人間がわーっと飛びだしたらどうするのかね」
大辻は、あいかわらず、びくびくもので正太の後からのぼってゆく。正太は一生けんめいだ。
「あっ、釦がおちている。うむ、これはマリ子の服についていたのが、ちぎれて落ちたんだ。ちくちょう、エフ氏はマリ子をいじめているんだな」
そう叫んで、正太はまた足をはやめて山道をのぼりだす。
「おい、待ってくれ。わしをひとりおいていっちゃいけないじゃないか。