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じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
線上閱讀海野 十三《人造人間エフ氏(じんぞうにんげんエフし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 53,879 字 · 109 頁
「もう大丈夫。わしが――この名探偵長大辻がついている以上、何が来たってもう大丈夫だ。マリ子さん、どうぞ大船にのった気で安心なさい」
大辻は、マリ子に元気をつけようとおもい、名探偵長になりすまして、さかんにいばってみせるのだった。大辻は、たいへんお手柄をたてたわけである。が、そのお手柄のはじまりというのは、(あっ、幽霊だ!)と、本気でがたがたふるえたことにあるのだ。臆病のお手柄なんだから、あまりいばれたものではない。帆村探偵がきいたら、笑うだろう。
マリ子は、大辻のことばをきいて、たいへん元気づいた。でも、どうしてこんな空井戸みたいなところから、にげだすことができるだろうか。マリ子はそれを心配して、大辻にうったえた。すると大辻は、からからと笑って、
「なあに、そんな心配は無用だ」
「どうして?」
「だって、わしは、この穴の上から、ここへおっこったんだもの。だからこの穴を逆に上にのぼっていけば、必ず外に出られるわけだ。ねえ、そうでしょう」
「そうね。でも、こんな深い縦穴をのぼるなんて、あたしにはそんな力はないのよ」
と、かなしげにいった。
「なあに、それも心配無用だ。