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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《仇討姉妹笠(かたきうちきょうだいがさ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 頁

青空文庫

……紐を放れた孕独楽が、さながら生ける魂あって、自在に動く神妙の働き、お眼とめてご覧じ下さりませ! ……東西々々」

こういう声に連れて、楽屋の方からも東西々々という声が、さも景気よく聞こえてきた。

すると、あやめは赤毛氈を掛けた、傍の台から大独楽を取上げ、それへ克明に紐を捲いたが、がぜん左肩を上へ上げ、独楽を持った右手を頭上にかざすと、独楽を宙へ投げ上げた。

次の瞬間に見えたものは、翩翻と返って来た長紐と、鳥居の一所に静止して、キリキリ廻っている独楽とであった。

そうしてその次に起こったことは、土間に桟敷に充ち充ちていた、老若男女の見物が、拍手喝采したことであった。

しかし壮観はそればかりではなく、すぐに続いて見事な業が、見物の眼を眩惑ました。

あやめが黒地に金泥をもって、日輪を描き出した扇を開き、それをもって大独楽を受けたとたんに、その大独楽が左右に割れ、その中から幾個かの小独楽を産み出し、産み出された小独楽が石燈籠や鳥居や、社殿の家根などへ飛んで行き、そこで廻り出したことであった。

また見物たちは喝采した。

と、この時舞台に近い桟敷で、人々に交って見物していた二十五六歳の武士があったが、