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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《仇討姉妹笠(かたきうちきょうだいがさ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 頁
その中あやめは縁があって、江戸の両国へ出ることになった。
そこで浪速から江戸へ来た。するとどうだろう飛田林覚兵衛も、江戸へ追っかけて来たではないか。
こうして昨日の昼席となった。
舞台で孕独楽を使っていると、間近の桟敷で美貌の若武士が――すなわち山岸主税なのであるが、熱心に芸当を見物していた。ところが同じその桟敷に、飛田林覚兵衛もいて、いかにも子独楽が欲しそうに、眼を据えて見物していた。
(可愛らしいお方)と主税に対しては思い、(小面憎い奴)と覚兵衛に対しては感じ、この二つの心持から、あやめは悪戯をしてしまったのである。即ち舞台から例の小独楽を、見事に覚兵衛の眼を掠め、主税の袖の中へ投げ込んだのである。
(孕独楽が後家独楽になろうとままよ、妾にはあんな子独楽用はない。……これで本当にサバサバしてしまった)
あやめはそう思ったことであった。
そうして彼女は今日の昼席から、定席へも出演ないことに決心し、宿所をさえ出て行方を眩ましてしまった。それは彼女にとっては一生の大事業を、決行することに心を定め、その準備に取りかかったからであった。
でも彼女は夕方になった時、職場が恋しくなって来た。