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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《仇討姉妹笠(かたきうちきょうだいがさ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 頁
四辺には杯盤が置き並べてあり、酒肴などがとり散らされていた。
「これに現われて来る文字というものが、まことにもって訳の解らないものでな、ざっとまアこんな具合なのだ」
云い云い頼母は握っていた独楽を、畳の上で捻って廻した。幾台か立ててある燭台から、華やかな燈光が射し出ていて、この部屋は美しく明るかったが、その燈光に照らされながら、森々と廻っている独楽の面へ、白く文字が現われた。
「屋の財宝は」という五つの文字であった。
「屋の字の上へ淀という字を入れれば、淀屋の財宝はという意味になって、これはまアまア解るにしても、その後に出る文字が解らないのだ」
頼母はまた手を延ばし独楽を捻った。烈しく廻る独楽の面へは、「代々」という二つの文字と「守護す」という三つの文字と「見る日は南うしろ北」という、九つの文字とが現われた。
「この意味はまったく解らないのう?」
頼母の声は当惑していた。
「が、主税めの持っている独楽を奪い、それへ現われ出る文字と合わせたら、これらの文字の意味は解るものと思う。どっちみち淀屋の財宝についての、在場所を示したものに相違ないのだからのう」
「その主税めもうそろそろ、決心した頃かと存ぜられます」