輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《今日の日本の文化問題(こんにちのにほんのぶんかもんだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 頁

青空文庫

今日の日本の文学運動の中には、日本の現代小説の伝統であった「私小説」からの脱却の課題があらわれている。日本の「私小説」はドイツの二十世紀はじまりに現われた「私小説」とは違った過程をもった。日本の社会が、封建的絶対主義につつまれてきていたために、「私小説」は個性の完成に伴う、より広くゆたかな社会的生存と、そこに集積されてゆく人間的経験の文学表現とはなり得なかった。官尊民卑の日本の社会で、文学者は一種の「よけい者」であった。文学者の生活環境は、孤立していて、政治にも実業にも、文化一般の活動にさえも参加しなかった。こういう社会性の狭さの一方に、重く息苦しい家族制度によって個人生活をしばられて、日本の「私小説」は、社会小説に発展する戸口をふさがれていた。民主的な文学者が、僅かに日本文学における社会性の欠如について関心を示してきた。今日「私小説」は、ようやくより広い社会環境に向って解放される可能を見出した。民主主義文学運動の展望におけるもっともプロスペラスな期待は、近い将来において民族的であるとともに、世界的である一定の社会生活の芸術的表現として日本文学を成長させるであろうという点にある。