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さっかのけいけん
作家の経験
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《作家の経験(さっかのけいけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,801 字 · 25 頁
そういう努力がされていれば、民主的ということの文学における今日の現実が、もっとしっくり文学自身の内のこととして身についたであったろう。文学の上に、民主的とか民主主義とかいう字が、ただとりつけられたばかりのように理解すれば、文学はいつだって文学でいいのだ、という居直りも、その感情の根源に主観的な必然を主張しうる。
プロレタリア文学と新しき民主主義文学
今年のはじめ、新日本文学会が結成の大会をもった。そのとき、一人の有名な作家が立って発言した。今日、プロレタリア文学のための集団といわずに、なぜ民主主義文学という定義をするのであろうか。はっきり、プロレタリア文学、といってしまったらいいではないか、と。一種の皮肉をふくませたニュアンスでいわれた。
日本にプロレタリア文学運動が起り、それがしだいにまとまり整理されて世界的な動きの水準に接近したのは、一九二八年ころのことであった。プロレタリア文学は、その発生の本質において、そもそも既成のブルジョア文学のなかでの一流派ではなかった。その時分出現した新感覚派と称する流派と並んでブルジョア文学の伝統とその流転のはてに咲きいでた新種のはやりではなかった。