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ぼくのかきのき

僕のかきの木

小川 未明

線上閱讀小川 未明《僕のかきの木(ぼくのかきのき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,186 字 · 5 頁

青空文庫

もう、五、六年前のことであります。

ある日、賢吉は、友だちが、前畑の中で遊んでいる姿を見つけたから、自分もいっしょに遊ぼうと思って、飛んでいきました。

「清ちゃん、なにをしているの。」と、立ち止まって、声をかけると、

「赤がえるを見つけているの、君もおいでよ。」と、清次が、答えました。賢吉は、みょうが畑の中へ入りました。

「赤がえるをつかまえて、どうするの。」と、賢吉は、聞きました。

「安田のおばあさんが、とくちゃんに食べさせるのだから、つかまえてくれといったのだ。」

「とくちゃんが食べると、鼻の下の赤いのがなおるから?」と、賢吉が、聞きました。

「きっと、そうなんだよ。さっき、一ぴき見つけたけれど、どこかへ逃げてしまった。」

「そのかえるは、真っ赤だった?」

「そんなに赤くなかった。」といいながら、清次は、みょうがの葉を分けて、下をのぞいていました。みょうがの子が、柔らかな黒土から、うす赤い頭を出して、白い花を咲いているのでありました。

「賢ちゃん、ここに、こんなかきの木が生えているよ。」と、突然、清次が、いいました。

賢吉は、そのそばへいってみると、かきの木の苗が、みょうが畑の端の方に一本生い出て、大きな葉をつやつやさしています。