輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

げんろくじゅうさんねん

元禄十三年

林 不忘

線上閱讀林 不忘《元禄十三年(げんろくじゅうさんねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,586 字 · 42 頁

青空文庫

「今年は、お兄上岡部様が、御本役で、お添役は?」

「立花殿です。」

と、辰馬は、夜おそくこうして亀井の邸を訪ねて来た要むきに、早く触れたかった。

外記も、この客の要件をいろいろ推測しながら、

「立花出雲守さま――添役は、まあ、なんですが、本役となると、お察しします。」

辰馬は、態わざ頼みにきたことを、どう切り出していいかわからなくなった。で、黙っていると、外記がひとりでつづけて、

「気骨が折れて、出金が多い。それで、無事勤めたところで、戦場一番槍ほどの功にはならんのですから、一生に一度の、まず名誉かもしらんが、正直、ありがたくありませんな。ところで、申すまでもなく、そこらに抜かりはありますまいが、吉良さまのほうへ、いくらかお遣わしになった――。」

辰馬は、待っていた話題が来たので、四角くなった。

「兄に、何か考えがあるとみえて、吉良への進物は断じてならぬと申しますので、困っております。」

外記は、ぎょっとしたように、

「岡部様らしい。が、それはいかん。それは、危ない。」

「それにつきまして、じつは――。」

「最初の贈り額がたりませんでな。手前の主人も、さんざ吉良様にいじめ抜かれ、すんでのことで刃傷におよぶところ、手前が、遅ればせに、例の天瓜冬の届け直しをやって、はははは――。