輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

線上閱讀倉田 百三《光り合ういのち(ひかりあういのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 頁

青空文庫

この先生はじき転任されたので私はがっかりした。向こうでは御記憶あるまい。がこうして子供の美のヴィジョンは育って行くのだ。

「先生、先生をお送りして進庄の橋の袂でお別れしたときには、こんなに悲しかったことはありません。……」

こんな転任の先生に送る作文を書いて、私が甲ノ上を貰ったのは小学四年の時だ。その時が私の文章というものへの趣味の初めだった。それ以後作文は私のひそかな得意となっていた。

私の美の感情を培うたものには政子姉と、従姉の藤子とが私より四つ、五つ年上で、美しい娘として三味線や、琴や、手芸などを競って習い、揃いの着物を着たりして、絶えず美と芸との雰囲気を発散させていたことだ。琴の相弾きなど私の家でよくやり、母が楽しそうにそれを見ていた。

「もっと大きな声でうたって」

などと母が励ましていた。父は自分が三味線を弾き、花を活けた位だから、娘たちに芸事をすすめた。

私は今でも思い出す。運動会の余興の折に、赤十字の真似をし、私たちは負傷兵になり、政子姉や藤子姉は四、五級上だから看護婦に扮装して、繃帯を巻いてくれた。

巻くや繃帯白妙の 衣の袖は紅に染み

真白に細き手をのべて……