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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,664 字 · 323 頁

青空文庫

白粉を足で蹴散らした。と、その後へ葉之助殿が行った。陰謀組の連中が、どうして陰謀を破られたか。それを調べにやって来る。双方が広場で衝突する。ううむ、こいつはありそうなことだ」

北山はじっくりと考え込んだ。

「だが鏡葉之助殿は、武道にかけては一種の天才、大概の者には負けない筈だ。しかし多勢に無勢では……無勢も無勢一人では、ひどい目に合われないものでもない」

彼は益※(二の字点、1-2-22)不安になった。

「だがまさかに殺されはしまい」

とは云えそれとて絶対には、安心することは出来なかった。

「そうだ、これから出かけて行き、広場の様子を見てやろう! 格闘したものなら痕跡があろう。殺されたものなら血痕があろう」

で、彼は行くことにした。

しかしその前に仕事があった。

薬を調合しなければならない。

襖を開けると薬棚があった。いろいろの薬を取り出した。薬研に入れて粉に砕いた。幾度も幾度も調合した。黄色い沢山の粉薬が出来た。棚から黄袋を取り出した。それへ薬を一杯に詰めた。五合余りも詰めたろう。それをさらに風呂敷に包んだ。それからそれを懐中した。

編笠を冠って旅籠を出た。