輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,664 字 · 323 頁

青空文庫

私は帰る」

黄袋を懐中へ押し入れて、北山は小屋から外へ出た。

やがてこの日の夜が来た。

鏡葉之助は眼を覚ました。

そこは真っ暗の部屋らしかった。

葉之助の全身は弛かった。ひどく頭が茫然していた。手足の節々が痛かった。

「いったいここはどこだろう? 確かに自分の家ではない。……いつから俺は眠ったんだろう? ……一年も眠ったような気持ちがする」

彼は四辺を見廻した。灯火のない部屋の中には、人のいるらしい気勢もなかった。彼はじっと考え込んだ。

「……それでも漸次思い出す……俺は最初に女を助けた。女を送って屋敷へ行った。大槻玄卿の屋敷だった。それから毒を飲まされた。それから地下へ埋められた。それから地下の横穴を通った。それから水狐族の怪殿へ行った。それからウント奮闘した。それから町へ飛び出した。それから根岸へ警護に行った。地上に例の白粉があった。それから俺は広場で眠った。ではここは広場なのか?」

彼は掌で探って見た。地面の代りに畳が触れた。

「いややはり家の中だ……それにしてもいったい何者が、いつ俺をこんな家の中へ、俺に知らせずに担ぎ込んだのだろう? ……人に担がれても知らないほど、眠っていたとは呆れ返るな……とにかく屋敷の様子を見よう」