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ふゆをこすつぼみ
冬を越す蕾
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《冬を越す蕾(ふゆをこすつぼみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,898 字 · 14 頁
いつからとなく私の心に生じている疑問と探究心とは、これらの注意によって一層鋭くされるのを感じる。本当に、文学における才能や作家としての閲歴のある村山、藤森、中野、貴司その他の人々が自他ともに大きい〔十三字伏字〕(復元不可能)経験の中から、どうして人の心を深くうち、歴史というものをまざまざ髣髴せしめるような制作をしないのであろうか。
先頃立野信之が「友情」という小説を書いた。それを村山が評した言葉のうちに、主人公の態度を全運動とのつながりにおいて批判していない点が不足であるという意味のことがあったのを覚えている。けれども、村山も自身のことになると、転向しても立派な小説が書ける、だがそれには「あらゆる弱点をすっかり自己の前にさらけ出し切ってしまわなければ駄目なのだ」「赤裸々生一本のものとして現実に向い、文学に向って行かなければ駄目なのだ」と、どちらかといえば主観的なものごしで良心を吐露している。そして過去の運動がその段階において犯していたある点の機械的誤謬を指摘することで、今日の自分がプロレタリア作家として存在し得る意義を不自由そうに解明しているのである。