輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふゆがれ

冬枯れ

徳永 直

線上閱讀徳永 直《冬枯れ(ふゆがれ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,850 字 · 48 頁

青空文庫

「君のみたところで、こッちは今後どうなりそうかね、え?」

低声できくと相手は、白い上ッ張りの紐をのろのろと結びながら、無感動な調子の大きな声で答えるのだった。

「さァ、どぎァんなるかな、俺達にゃァさっぱりわからんたい」

そしてあとはもう忘れたように、客と二人で世間話を始めているのだった。――

戸外へ出たが、いまに霙でも降ってきそうな空模様であった。軒下をあるきながら竹永米屋の前まで来ると、でッぷりした赤ら顔の、禿げのこりの白髪頭を仰向けて、空を睨めあげていた親父がフッとこっちを向いた。

「親方さんですか、しばらく……」

昔の業つくな主人に会うのは、やっぱりいい気持ではなかった。禿げ頭は面喰ったように慌てて頭をさげ、ジロジロと見あげ見おろしていたが、気がついたように頓狂な声をだした。

「あれェ、和吉じゃにゃァか!」

親爺は二十年もまえの調子で呼び棄ててから、三角な小さい眼がかくれるほど皺を寄せた。

「ぬしゃァ、東京へ行っとるげなが? ふゥン、あっちア景気アよかどだい」

「なンのああた、同じこッてすばい」

ツイ鷲尾も田舎言葉になりながら、店先へ入っていった。穀類や、雑貨やをゴタゴタとならべてあって、帳場には昔のままの小格子が黒く光っていた。