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こおるアラベスク
凍るアラベスク
妹尾 アキ夫
線上閱讀妹尾 アキ夫《凍るアラベスク(こおるアラベスク)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,278 字 · 20 頁
「さア、床の上の電線の行方を調べてみましょう」
云いながら、警部がデスクの処から元の処へ帰ると、暮松と巡査が邪魔物の洋箪笥を少し脇へよせた。
そして三人が重い絨氈のすみを広々とはぐってみると、壁の下から出た黒い電線は、二尺ばかり床の上を斜に這って、床板の隙間の中に入っていた。
床板の隙間をナイフや庖丁でつついていたら、厚さ二寸もある重い床板が、やっとのことで起上ったが、よく見ると起き上った三枚の床板には、内側から横木を二本打ちつけて、三枚が一枚の如く一緒に動くようになっていて、恰度壁際のところの内側には、丈夫な蝶番さえ付けてあった。
彼等はそこから下を覗いて見た。
そこには真っ黒い穴が口を開けていた。
よく見ると幅が三尺ばかりある混凝土の階段が下へ降りてるらしい。
警部は怖る怖るその階段を下りはじめた。
巡査と暮松もあとにつづいた。
彼らはあたりが暗いので、時々両側の冷たい壁を手捜りながら、静に片足ずつ階段を降りて行った。
だが、下へ降りれば降りるほど、湿っぽい、土くさい空気が鼻をつき、その上次第に温度が下って、骨の髄までしみる寒さであった。
そして長い階段の一番下まで来た時には、彼らは極度の興奮と寒さのためにぶるぶる顫え、何故と云う確実な理由は別にないのだが、恐らくはただ茫とした一種の恐怖心に支配され