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ぜんしょう
前哨
黒島 伝治
線上閱讀黒島 伝治《前哨(ぜんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,857 字 · 18 頁
「本当だよ。×××××××××××××××××××。」
やがて、彼等は、まだぬくもりが残っている豚を、丸太棒の真中に、あと脚を揃えて、くゝりつけ、それをかついで炊事場へ持ちかえった。逆さまに吊られた口からは、血のしずくが糸を引いて枯れ草の平原にポタ/\と落ちた。
「お前ら、出て行くさきに、ここへ支那人がやって来たのを見やしなかったか?」
宿舎の入口には、特務曹長が、むつかしげな、ふくれ面をして立っていた。
「特務曹長殿、何かあったんでありますか?」
「いや、そのう……」
特務曹長は、血のたれる豚を流し眼に見ていた。そして唇は、味気なげに歪んだ。彼等は、そこを通りぬけた。支那家屋の土塀のかげへ豚を置いた。
「おい、浜田、どうしたんだい?」
何かあったと気づいた大西は、宿舎に這入ると、見張台からおりている浜田にたずねた。
「敏捷な支那人だ! いつのまにか宿舎へ××を×いて行ってるんだ。」
「どんな××だ?」
「すっかり特さんが、持って行っちまった。俺れらがよんじゃ、いけねえんだよウ。」
だが、しばらくすると浜田は、米が這入った飯盒から、折り畳んだものを出してきた。