輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《前記天満焼(ぜんきてんまやけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,568 字 · 98 頁

青空文庫

「これが支部長の令嬢か! これが俺の許嫁か! 生ける死骸だ! 生ける死骸だ!」

「阿片をおのみなさいまし」

茫然としてお妻が云った。

「何も彼も忘れてしまいましょう。美しい夢ばかり見られます。……あなたはたあれ!」と恍惚とする。

「どっちみちお助けしなければならない!」

こう思ったに相違ない。つと進むと腕を延ばし、乞食はお妻をひっ抱えた。

「助けて下さいよ! 助て下さいよ! 誰か妾を連れて行きます!」

行くまいとお妻はもがくのである。

だが乞食の上州は、いわゆる有無を言わせないという態度で、お妻を抱えた手をゆるめず、部屋から外へ飛び出そうとした。

そこへ飛び込んで来た人間がある。

「やはり貴殿か!」

――と大学であった。

「忘恩の徒よ! 反逆者よ!」

竹光でこそあれ凄い利器、腕も充分冴えている、大学の胸を貫いた。

こうして大学は斃れたが、突きさした竹光を突きさしたまま、お妻をかかえて、風のように、馳せ去った乞食の上州は、どこへ行ったものかその時以来、二度と姿を現わさなかった。しかし竹光の柄の上に一連の文字が刻ってあったので、その身分を知ることが出来た。

支那には「白蓮会」