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くんしょうをもらうはなし
勲章を貰う話
菊池 寛
線上閱讀菊池 寛《勲章を貰う話(くんしょうをもらうはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,721 字 · 28 頁
隊長は安心した。味方の砲兵もまだ退却していないと思ったが、安心はすぐ裏切られた。その砲軍の一つが、不意に紅の舌を出したかと見る間に、朝の静かな天地を砲声が殷々とどよもして、五、六発の榴弾が、不意に味方の頭上に破裂したのである。味方の砲兵隊は、いつの間にか退却して独軍のそれが入れ替わっていたのであった。
大隊長はしばらく、失望にとらわれていた。が、この場合、退却するということは、すべての人間を敵の砲火の犠牲にすることであった。彼は直ちに、部下の大隊に戦闘隊形をとらした。イワノウィッチは、今こそ、死ぬべき時だと思った。味方は、ライ麦の畑を踏み荒しながら、散開した。がそれと同時に唸りながら飛んできた榴弾が、彼らの頭上に続けざま十二、三回破裂して、彼らの三分の一を奪ってしまった。
大隊に付属している三門の機関銃が、敵に対して、弱い、しかしながら緊張した反抗を始めたのであった。
が、十門に近い敵の野砲は、やすやすとその鏖殺事業をやっている。六百メートルという近距離の射程では、地面を這う昆虫をさえ逃さなかった。
榴弾が破裂するごとに、二、三十人の兵卒を砕いた。