輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ペキン・チンタオ・そんらく
北京・青島・村落
豊島 与志雄
線上閱讀豊島 与志雄《北京・青島・村落(ペキン・チンタオ・そんらく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,580 字 · 12 頁
大平野の中で、吾々は或る錯覚を持つことが多い。丘陵とか、森とか、工場の煤煙とかが、視線を遮ることなく、遙かに地平線まで見渡せる場合、つまり、視線に対する抵抗物が平野の上に何もない場合には、その地平線の彼方に海があるような錯覚を起すのである。これは、四方海にかこまれた陸地に、そして常に視線に対する抵抗物の多い陸地に住む者の、常態であろう。
河北大平野には、処々に村落があり、木立がある。然しその間を縫って、地平線の彼方へまで展望が開けている。四方八方にそうである。謂わば、地平線の彼方へまで通じる風窓が、大地の上に八方に開けていて、そこには視線に対する抵抗物が何一つない。
この大地の一点に立つと、吾々には、地平線の彼方に四方に海があるような錯覚が起る。そしてこの錯覚はひいて、海上に在るような感覚を持たせる。地球が円いものだとの実感を得るのは、海の沖合に在る時ばかりではなく、このような大平野に在る時もそうである。
そしてこの平野には、至って河が少い。河流は始終泥土を運んできて、いつしか水が涸れれば、河床は高く、橋の必要はなく、道路はじかに河床を通っている。