輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《十二神貝十郎手柄話(オチフルイかいじゅうろうてがらばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 127,035 字 · 254 頁

青空文庫

新八郎は不思議に思って、その屋敷の方へ小走ろうとした。しかし彼は足を止めて、あべこべに物の蔭へ隠れた。

その屋敷の門が開いて、異様の行列が出たからである。二人の侍が最初に出、つづいて四人の侍が出た。その四人の侍が、長方形の箱を担いでいる。と、その後から二人の侍が、一挺の厳めしい駕籠に付き添い、警護するように現われた。

これだけでは異様とは云えまい。

しかるにその後から蒔絵を施した、善美を尽くしたお勝手箪笥が、これも四人の武士に担がれ、門から外へ出たのである。

異様な行列と云わざるを得まい。がもし新八郎が近寄って行って、先に出た長方形の箱を見たなら、一層に異様に思ったことであろう。

その箱が桐で出来ていて、金水引きがかかっていて、巨大な熨斗が張りつけられてあり、献上という文字が書かれてあるのであるから。

行列は無言で進んで行った。

半町あまりも行き過ぎたであろうか、その時露路に隠れていた、例の一団が、往来へ姿を現わして、その行列をつけ出した。

しかし行列の人達に、目付けられるのを憚るかのように、家々が月光を遮って、陰をなしているそういう陰を選んで、きわめてひそやかにつけて行った。