輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ちはやかんのめいろ
千早館の迷路
海野 十三
線上閱讀海野 十三《千早館の迷路(ちはやかんのめいろ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,829 字 · 50 頁
「ええ。でも田川より田鶴子さんの方がずっと探偵事件的に魅力があるんですものね、仕方がありませんわ」
「冗談じゃないですよ、春部さん。私はあなたの御依頼によって田川氏の行方を突き停めようとしてこそあれ、あの今様弁天さまの魅力に擒になっているわけじゃありませんよ」
春部は、何とも応えなかった。と、ゆるやかながら一つの峠を越えて、正面の眼界が一変した。左手の方が一面に低い雑木林となり谷を作りながら向こうへ盛りあがり、正面の切り立ったような山の裾にぶつかっているが、その山の麓に、奇妙な形の洋館が、まわりに刑務所のような厳しい塀をめぐらせて、どきつい景観となっていた。朱色の煉瓦を積んだ古風な城塞のような建物であった。そして外廓は何の必要があってかふしぎにも曲面ばかりを持っていて、平面が殆んど見当らない。なんのこと長い腸詰を束にして直立させたような形だった。永く見詰めていると顔が赭くなるような、そしてふと急に胸がわるくなって嘔吐を催し始めるような、実に妙な感じのする建物だった。……二人の足は竦み、そして二人はしばらくはものもいわず、その煉瓦館に見入っていた。それは間違いなく、千早館だった。