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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
そうなれば、これまた、ポーズということになる。その人のポーズはその人の地獄だ。同時にその人のアヘン窟である。中野の状態がはたしてそんなふうにまでなっているかいないか私は知らぬ。しかし中野の小説が、「クサヤのヒモノ」のような匂いを持っており、近来とくにその匂いが強くなって来ている事実を、私としては右のようなことがらと関係させないでは考えられないのである。中野がもし小説家ならば、または、もしマルクシズム理論家ならば、そして、そのいずれの側でも、もしホントの答えを出したいならば、彼のフルのところで、彼のトップのところで、ギリギリいっぱいの、恥の外聞もポーズも投げ捨てたところで、投げ捨てざるを得ないところで、つまり、タブロウとしての小説を書いて見せてくれなくてはなるまい。問題は、そこいらから、やっと始まると思う。そして私は中野がそれをして見せてくれるだけの能力を持たない人だとは思っていない。
現在の中野のこのような姿は、ただそれを指さして拍手したり、笑ったりして置きさえすればよい姿ではないだろう。中野の姿は、中野だけのものでは無い。そこには、マルクシストたちにとってはもちろんのことであるが、マルクシストでない者にとっても解決しなければならぬところの、深い、そして一般的な問題が示されている。