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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
しかし、たいがい自分には縁もユカリも無い世界のような気がし、加うるにその書きかたも書かれた人物たちもなんとなくキザなような印象を受けることが多く、しかし、けっきょく「こんな世界もあるのかな」といったふうの、自分にもあまり愉快では無い無関心のうちに読み捨てたことである。また、この人のソビエット行き、ならびに、それについての文章などにも、ムキになって対することが、私にはできなんだ。それから太平洋戦争の、たしか直前ごろ発表された宮本の文章の一つに、彼女が、たしか中野重治らしい男とつれだって執筆禁止か又はそれに似た事のために内務省か情報局か、そういった役所の役人に会いに行った話を書いたのを読んだ。書きかたはソッチョクで、感情抜きでシッカリしていた。それを読みながら、「これだけの重圧の苦しみに耐えながら、おびえたりイジケたりしないで、シッカリと立っている女がいる、えらいな」と思い、心の中で帽子をぬぎ、そして、当時の国内の状勢の中では或る意味では当然であるとも言えた左翼に対する抑圧を、しかしこのようなバカゲた、このような乱暴な形でおこなっている当局に対して、二重三重の怒りを感じたことを、おぼえている。