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こだいこくごのおんいんについて
古代国語の音韻に就いて 他二篇
橋本 進吉
線上閱讀橋本 進吉《古代国語の音韻に就いて 他二篇(こだいこくごのおんいんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,329 字 · 188 頁
二 第一期の音韻
一 奈良朝の音韻組織
もとよりこれは便宜から出たものである。今後、各時代各時期の音韻状態がもっと明確に、もっと詳細に知られる時が来たならば、もっと多くの時代に分けることが出来るであろう。
二 第一期の音韻
第一期は奈良朝を下限とする各時代である。当時は文字としては漢字のみが用いられたので、当時の音韻の状態を知るべき根本資料としては、漢字をもって日本語の音を写したものだけである。そうしてかような資料は、西紀三世紀の頃の『魏書』をはじめとして、支那歴代の史書や、日本の上代の金石文などの中にもあるけれども、それらはいずれも分量が少なく或る一時代の音韻全般にわたってこれを知ることは出来ない。奈良朝にいたって、はじめてかような資料が比較的豊富に得られるのであるから、第一期の音韻を研究しようとするには、どうしても先ず奈良朝のものについてその時代の音韻組織を明らかにし、これを基礎として、それ以前の時代に溯るのほかないのである。
一 奈良朝の音韻組織
奈良朝時代の文献の中に、国語の音を漢字(万葉仮名)で写したものを見るに、同じ語はいつも同じ文字で書いているのではなく、種々の違った文字をもって写している。