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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁
右門がそのときみずから右門流の吟味方法と称しながら、その六十侍を永代橋からけおとしたゆえんのものは、早くもそれとにらんだので、老職自身に世のつねのような痛み吟味をかけて自白させるかわりに、ちょっとばかりあざやかな右門特有のからめ手の吟味戦法を小出しにしたまでのことでしたが、さればこそ、あのときの達者すぎる河童ぶりに、もはや疑いもなく下手人とにらみがついたものでしたから、あんなふうに追っつけ鈴ガ森か小塚ッ原へ送られるだろうなぞと気味のわるいことをいったので、そして宵の五つから四つまでに毎夜のごとき小娘お静の悲鳴があったというそのいきさつは、ほかでもなく、身分がらをはばかったあれなる老職が、そのおりにこっそりと忍んでくるので、用もない用を言いつけて、夜中表へ使いに追いだすための打擲折檻なのでありました。だから、もうこうなれば、いかに不貞の妻女といえどもただ恐れ入るよりほかはないので、今にして八丁堀にわがむっつり右門のあったことを知ったもののごとくに、青ざめていったことでした。
「だんながいられるとは知らずに、とんだだいそれたことをいたしました……」
と、右門の鋭い声が間もおかないで、がんと一つ見舞いました。