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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁
前後して、顔の包みをとった右門が、わざと千鳥足を見せながら、そのあとをつけました。とたん、侍姿の右門に気がついたとみえて、ふっとおでん屋台のあかりが消されました。同時に、ことりとなにか取り出したらしい物音は、たしかにあのけこみの中へ秘めかくしておいた玉乗りの黒い玉です――右門はかくし持っている御用龕燈をしっかりと握りしめました。間をおかないで、ふわふわと、さながら幽霊ででもあるように、玉に乗りながらおぼろやみの中から近よってきたものは、紛れもなくさっきの美人です。そら、眠りの術が始まるぞ! と思って龕燈を用意していると、それとも知らずに、予想どおり、いとも奇怪な一道の妖気が、突如右門の身辺にそくそくとおそいかかりました。
「バカ者!」
とたんに、右門がわれ鐘のような大声で大喝したのと、ちかり龕燈のあかりをその鼻先へ不意につきつけたのと同時でした。術は老雲斎先生のことばどおり、うれしくも破れました。
「あっ!」
といって、いま一度術を施し直そうとしたときは、一瞬早くむっつり右門の草香流柔術の逆腕が相手の右手をさかしらにうしろへねじあげていたときでした。