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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁
あいつ、ちっとばかしくせえやつだなと思いましたんでね。なにかは知らぬがしょっぴいていってやろうと思って、せっかくえり首をつかまえたんですが、さるのやつめが手の甲をひっかきむしったそのすきに、逃げうせちまったんでげすよ」
「なるほど、血がにじんでいるな。しかし、それにしても、あいつをしょっぴいていこうと気がついたなあ、さすがおめえも江戸の岡っ引きだな。そのおてがらに免じて、逃げたものならほっとくさ。いずれ二、三日うちに、またあいつにもお目にかかるような筋になるだろうからな。――いや、これはこれは、どうもとんだお手間をとらせました。さぞかし伊豆守様お待ちかねにござりましょうから、ではご案内くださりませい」
何が何やら解しかねるといったおももちで、ぽかんとそこに番士たちが待ちあぐんでいましたものでしたから、右門は改まって声をかけると、城中への案内を促しました。
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石高はわずか三万石の小藩ではありましたが、さすがは天下の執権松平伊豆守の居城だけあって、とわに栄える松の緑は夜目にもそれと青み、水は満々と外濠内濠の兵備の深さを示して、下馬門、二の門、内の門と見付け見付けの張り番もきびしく、内外ともに水ももらさぬ厳重な警備でした。