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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
――そこへうれしいたよりがぽっかりと訪れました。
「近藤右門様まいる。田鶴――」としてあるのです。
「はあてね。もうさっきのあのお嬢さまが、胸を焦がしたってわけじゃあるめえね」
「黙ってろ」
開いてみると、次のごとき一書でした。
「さきほどは三ツ又稲荷にてうれしきお計らい、お礼申しあげまいらせ候。さそくに屋敷へ帰り、おさしずどおり、殿さまに申しあげ候ところ、万々のことめでたく運び候まま、お喜びくだされたくこのご恩は、田鶴一生忘れまじく、またの日、お身親しくお目もじもかないえばと、夢のまにまにそのこと念じまいらせ候。取り急ぎあらあらかしこ――」
「てへへへ。うれしいね。え! ちょいと、夢のまにまに念じまいらせ候とは、陰にこもって思いが見えて、うれしいじゃござせんか。いいや、なになに、お奉行さまからは表だってのご賞美はなくとも、こういうやさしいところが、夜ごと日ごとにぽうっとなって念じてくれりゃ、ね、だんな、いっそありがてえくらいじゃござんせんか。え? いけませんかね」
だが、名人はにこりともしないで、なんの変哲もないというように、あごをもてあそんだままでした。