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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
「…………」
「え? そうであろうのう。それゆえ、ひもじいのをこらえて、いただかないのでありましょうのう」
あい――、というように、名も知れぬいたいけな小娘は、その目にいっぱい涙をためながら、かぶりを縦にふりました。
「ちくしょうッ、泣けやがらあ、泣けやがらあ。なんてまあ、なんてまあ、いじらしいでしょうね。べらぼうめ! どこのどいつが、こんなかわいらしい子どもたちを貧乏にしやがったんだ。――食べな! 食べな! おらのだんなは、日本一お情けぶけえおかたなんだ。ほしけりゃ、江戸じゅうの大福もちみんなでも買ってくださるんだから、どんどん食べな、腹いっぱい食べな」
そばから伝六も伝六らしいもらい泣きをしながら、必死にすすめたが、自分はこらえられるだけこらえて弟にというように、いくたびか口なづきしながらも小娘はじっと耐え忍びつつ、飢えをかくして悲しげにさし控えたままでした。――そのいじらしさ! しおらしさ! 名人はあふれあがるしずくを散るがままにまかせながら、やさしく尋問を始めました。
「よくよくつらいめに会うているとみえますのう。なれども、おじさんがこうして力になってあげますからには、もうだいじないゆえ、なにごとも隠さずに申さねばなりませぬぞ。