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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

そうと事が決まらば、おまんまも食わする段じゃねえ。あるものをみんな読みあげるから、ほしい品だけをおっしゃってくだせえましよ。――いいですか。ええと、ごまめに、きんとん、おなます、かずのこ、かまぼこ、小田巻き、こはだのあわづけ、芋のころ煮、ふなのこぶ巻き、それから、きんぴらに、松笠いかのいそ焼きと、つごう十一色ござんすが、どれがお好きですかい」

「みんな出しなよ」

「え……?」

「みんな出せばいいんだよ」

「おどろいたな。このほかにまだあるんですぜ。これは暮れの歳暮の到来ものなんだが、赤穂だいの塩むしがまるまる一匹と、房州たこのでけえやつもまだ一ぱい残っているんですぜ」

「遠慮はいらんから、それも出しな」

「あきれたな。こいつをみんな召し上がるんですかい」

「あたりめえだ。食べ物だって風しだい、舵しだいだよ。はしの向いたほう、目の向いたほうをいただくんだから、威勢よくずらずらッと並べておきな」

まったく驚くほかはない。いや、むしろ壮観でした。右の十何色のうちから、風しだい舵しだいで、はしの向いたほう、舳先の向いたほうをたっぷりいただくと、もうこれで胆力はじゅうぶん、といわぬばかりに、ずいと立ち上がって、珍しやきょうは黒羽二重上下の着流しに、すっぽり雪ずきん――、雪駄の音が江戸一のいきな音をたてながら、いよいよ二十一番て