輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
三十六計にしかずと知ったか、楽屋いちょう、緋縮緬、おしろい塗りかけた顔のままで、やにわとうしろにあった西条流半弓を鏑矢もろとも、わしづかみにしながら、おやま姿にあられもなく毛むくじゃら足を大またにさばいて、タッ、タッ、タッと舞合表へ逃げだしましたので、名人、伝六、辰の三人も時を移さず追っかけていくと、だが、いけないことに舞台はちょうど幕をあけて、座方の頭取狂言方が、宗助出せッと鳴りわめいている見物に向かって、平あやまりにわび口上を述べているそのさいちゅうでしたから、不意に飛び出した四人の姿に、わッと半畳のはいったのは当然でした。
「よよッ、おかしな狂言が始まったぞッ」
「おやまの役者が、弓を持っているじゃねえか!」
「おしろいが半分きゃ塗れていねえぜ」
叫びつつ総立ちとなって、花道にまでも見物があふれ出たものでしたから、ために逃げ場を失った宗助は、ついにやぶれかぶれになったものか、突如、きりきりと引きしぼったのは、西条流鏑矢の半弓!――弓勢またなかなかにあなどりがたく、寄らば射ろうとばかりにねらいをつけようとしたせつな。――だが、われらの名人の配下には、善光寺の辰という忘れてならぬ投げなわの名手がいたはずです。