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よしだしょういん
吉田松陰
徳富 蘇峰
線上閱讀徳富 蘇峰《吉田松陰(よしだしょういん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 135,622 字 · 269 頁
要港に備えある三十艘の船は機を察して出戦すべし」。もしそれ陸戦の法に至っては、いわゆる「山林を右背にし、田沢を前左にし、高きを負い、低きに臨み、本陣を据え、相待つべし〔これ孫子流の兵法か〕」。その討つべきは、「軍艦より脚船を卸して陸に近づく所」一なり、「脚船より上陸し、備えを立つる所」二なり、「備えを進め、砲台を築き、足留を拵ゆる所」三なり。この三箇条は、あるいは砲銃を用い、あるいは刀槍を用ゆ、各々その便に従うべし。ここにおいてか彼れ曰く、「勝を制するの易々たる固より毛を燎くが如し」と。
吾人は今日においてこの策論を読み、その妄誕不稽に驚くといえども、これがために松陰の松陰たる価値において、一分一毛を減ずる所無きを見るなり。彼がこの論を草するは、これ嘉永六年癸丑の八月なり、即ち二十四歳なる少壮者の議論なり。その個人的年齢を以て推し、その歴史的時日を以て推し、その時勢的境遇を以て推せば、かくの如き論の、かくの如き人の口より、かくの如き世に出で来るは、復た異しむに足らず。看よ、今日においてすら、なお長白山頭の雲を踏み破り、馬を呉山の第一峯に立て、東洋に新帝国を作為するなどの迷夢を抱く者あるに非ずや。