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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
線上閱讀夏目 漱石《吾輩は猫である(『わがはいはねこである』じょうへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 頁
「僕は実業家は学校時代から大嫌だ。金さえ取れれば何でもする、昔で云えば素町人だからな」と実業家を前に控えて太平楽を並べる。
「まさか――そうばかりも云えんがね、少しは下品なところもあるのさ、とにかく金と情死をする覚悟でなければやり通せないから――ところがその金と云う奴が曲者で、――今もある実業家の所へ行って聞いて来たんだが、金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないと云うのさ――義理をかく、人情をかく、恥をかくこれで三角になるそうだ面白いじゃないかアハハハハ」
「誰だそんな馬鹿は」
「馬鹿じゃない、なかなか利口な男なんだよ、実業界でちょっと有名だがね、君知らんかしら、ついこの先の横丁にいるんだが」
「金田か? 何んだあんな奴」
「大変怒ってるね。なあに、そりゃ、ほんの冗談だろうがね、そのくらいにせんと金は溜らんと云う喩さ。君のようにそう真面目に解釈しちゃ困る」
「三角術は冗談でもいいが、あすこの女房の鼻はなんだ。君行ったんなら見て来たろう、あの鼻を」
「細君か、細君はなかなかさばけた人だ」
「鼻だよ、大きな鼻の事を云ってるんだ。せんだって僕はあの鼻について俳体詩を作ったがね」