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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
線上閱讀夏目 漱石《吾輩は猫である(『わがはいはねこである』じょうへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 頁
と催促すると、小供は平気なもので「あら、でも今日は御休みよ」と支度をする景色がない。「御休みなもんですか、早くなさい」と叱るように言って聞かせると「それでも昨日、先生が御休だって、おっしゃってよ」と姉はなかなか動じない。妻君もここに至って多少変に思ったものか、戸棚から暦を出して繰り返して見ると、赤い字でちゃんと御祭日と出ている。主人は祭日とも知らずに学校へ欠勤届を出したのだろう。細君も知らずに郵便箱へ抛り込んだのだろう。ただし迷亭に至っては実際知らなかったのか、知って知らん顔をしたのか、そこは少々疑問である。この発明におやと驚ろいた妻君はそれじゃ、みんなでおとなしく御遊びなさいと平生の通り針箱を出して仕事に取りかかる。
その後三十分間は家内平穏、別段吾輩の材料になるような事件も起らなかったが、突然妙な人が御客に来た。十七八の女学生である。踵のまがった靴を履いて、紫色の袴を引きずって、髪を算盤珠のようにふくらまして勝手口から案内も乞わずに上って来た。これは主人の姪である。学校の生徒だそうだが、折々日曜にやって来て、よく叔父さんと喧嘩をして帰って行く雪江とか云う奇麗な名のお嬢さんである。