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わしゅうちめいだん

和州地名談

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《和州地名談(わしゅうちめいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,320 字 · 14 頁

青空文庫

、そんなのは復活でありまたは再認識であって、長く地名の生きていた例にはならぬのである。古代大和人の血脈が絶えず、大きな移住もなく入替りもなくて、前代後代が順ぐりに、始終話頭に上せていたればこそ、この記憶は永く続いたので、同じ文化の連鎖は地名のみと言わず、あるいは今一段と奥底に横たわるものにも、及んでいるかも知れぬのである。

この一部の精確な保存があるために、第二の体験もまた有益なものになっている。それは地名の消滅と変化で、かつてはあれほどにまで重要であり、または歌謡の咏歎の中に、入って来たほどの感動深い地名でも、時が経ちまた何かの原因があれば、忘れてしまいもすれば横なまっても伝えられる。広い一郷の称呼が田畠の小名に残り、もしくは知らぬ間に場処がずれている。もとよりその中には若干の牽強附会、土地をぜひとも旧蹟と見たいという念慮もまじっていないとは限らぬが、とにかくに地名の残ろうとする力は相応に強い。それにもかかわらずこれと対抗して、新たに構造しなければならぬ必要が人生にはあったのである。まのあたりこの変化の幾段階を見比べる機会がなかったら、あるいは国が古いからすべてのものが古かろうと思い、または時代がすでに新しいゆえに、いっさいはすべて改まり尽していると推断して、過去千年の間の生存の要求、それがおのおのの