輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わし

和紙

東野辺 薫

線上閱讀東野辺 薫《和紙(わし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 35,557 字 · 70 頁

青空文庫

三

一体、紙漉きでは、暮してはゆけるが財産はつくれないとされていた時代のことで、その頃一軒の家の生産高を、たとえば四千円内外だったとしても、原料費が二千八百円はかかるので、収入は千二百円ということになる。が、これから食費や雑費をさし引いての手取金として換算すれば、一日わずかに七八十銭の純益に過ぎなかった。それにもかかわらず十年後の惣次郎は借金を綺麗に済したうえ、漉屋は二間に三間の手広いものに建てかえた。続いて家の増築もしたばかりか、いつか二反歩の畑さえ手に入れた。そして、宇北竹の惣次郎さの障子(障子紙)と言えば、村でも一目置かれるものを売り出すようになっていた。

三

昨日の昼頃から降り出して、一晩中烈しく吹雪いたのが、今朝は深い碧さに晴れ渡って、吹き溜りの稜線がきらきらと眩しかった。坂路の雪踏みを義兄にして貰って、重い手桶を提げたユミが道路を越えた小屋に来てみると、よしはもう仕事にかかるところであった。

「郡山のひといつ来んの? まだなのかい。」

誰もほかにはいないのだが、自然ひそまる声で訊くと、それが癖の、よしは細かく首を振った。

「あっちの家との話は手紙ですっかりきまったんだって。