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わし
和紙
東野辺 薫
線上閱讀東野辺 薫《和紙(わし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 35,557 字 · 70 頁
」
馬鹿、俺ァ要らないっていうのにと、怒った足どりでどんどん降りて行って、烈しい音をさせて玄関の戸を閉めた。
折角つくった荷を父親はまた解きはじめた。
としゑの発議で、三時半の汽車には大分早めに出かけた三人は、県社の安積国造神社に参拝した。
「あの人が征く時も、二人でお詣りしたんですの。」
友太にだけ聞える声でとしゑが言った。
友太が引っぱるというのを、いや、こんなのはなあにというだけで、とうとう父親が駅までリヤカーをひいて来た。無事に着いたはがきと、それから、生れた時はすぐ男か女かを知らせろと、父親は何度も念を押した。駅に来ると急に悄然としたとしゑは、黙って頷くだけであった。
「お母さんによろしく!」
ベルが鳴ると、泣き笑いの表情であわてて窓から顔を出すとしゑに、今度は父親がただこっくりだけをした。
「いろいろ済みませんでした。」
汽車が動き出してから暫くつぎ穂のない沈黙の後に、としゑがようやく言い出すと、いや、と、少してれた身じろぎをしながらも、友太は、義兄らしくいたわり深い眼を向けてきた。口の利き方でもものごしでも、どちらかと言えばもそもそしていて、二十七の独身とはとても受け取れない分別くささが、いかにも泥深い青年にはしていたが、相手にはそれだけ親しみ易い頼もしさも感じさせた。