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けいもうのげんだいてきいみとやくわりとについて

啓蒙の現代的意味と役割とについて

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《啓蒙の現代的意味と役割とについて(けいもうのげんだいてきいみとやくわりとについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,857 字 · 17 頁

青空文庫

この際啓蒙活動は精々知識の普及とか通俗化とか大衆化とかというような形で、教育家の臨時の片手間仕事位いにしか値いしないことになっているようだ。

とにかく啓蒙の観念は全く無力だ。啓蒙は他方宣伝とも直接関係があるが、反動的支配者による悪宣伝(デマゴギー)がこれ程日常行われているにも拘らず、日本ではまだ確固たる国家機構による宣伝機関(悪宣伝機関)さえ出来ていないことは、意味があるのだ。実際は大いに行っているが、そのやり方がまだ国家機構上に目的意識化してはいない。ナチスの宣伝省に類するものはまだ存在していないのが事実だ。処でデマゴギーとは悪宣伝即ち又虚偽宣伝のことで、つまり本当の宣伝の社会的内容の入れ替ったものの意味だが、そういうものは取りも直さず、啓蒙の正反対物にも相当するわけだろう。で、啓蒙の反対物たるデマゴギーの方が、国家機構の上で目的意識化された機関を有たない時に、啓蒙や其の宣伝の方の社会的機能も亦、社会的にそういうものとして公認されないのは無理ではあるまい。日本には多数の教育者がいる。それに準じてその悪種であるポプュラライザーやお説教屋も多い。彼等はどれも国家機構の壁に這う処のつたのようなものだ。