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けいもうのげんだいてきいみとやくわりとについて

啓蒙の現代的意味と役割とについて

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《啓蒙の現代的意味と役割とについて(けいもうのげんだいてきいみとやくわりとについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,857 字 · 17 頁

青空文庫

こうしてさし当りの規定を指摘して見ると、現代の日本に於て如何に啓蒙活動が本質的に欠けているか、又それに就いての観念が如何に分散的であるか、そしてそれにも拘らず今日、啓蒙活動がどれ程欠くべからざる或る必要に迫られているか、ということは、自然と気のつく処だろう。

この二つの規定を多少展開して見る前に、啓蒙(ドイツ語の Aufkl※(ダイエレシス付きA小文字)rung に相当する言葉)という概念を少し検討して見る必要があるようである。啓蒙という日本語には特別に哲学的規定は含まれていなかったらしく、単に文明開化啓蒙と云った調子に、明治の初期に使い慣れたものであろうと推定されると思うが、(深間内基『啓蒙修身録』、藤井三郎『啓蒙雑記』、条野伝平『啓蒙地理略』、の如き)併し明治初年のこの時期が世界史的に見ても広義の啓蒙期に入れることも出来るだろうし、又その思想史の系統から云って之が所謂啓蒙期の啓蒙思想に他ならぬことは、云うまでもない。だから日本語の「啓蒙」が当時実際意味したものが何であるにせよ、之はアウフクレールングの訳に当ると云っても誤っていなかろう。

尤も啓蒙思想は決してドイツだけのものでもなければドイツから発生したものでもない。