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よねんかん

四年間

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《四年間(よねんかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,135 字 · 36 頁

青空文庫

に当面する生活のなかで、互いの心が強く結びつくのをはっきりと二人は知ったのである。……戦争が終わったときの昂奮は忘れられない、信三はその夜昌子と二人きりで、おそくまで研究所の書斎で話をした、

「さあ、これから僕たちのたたかいが始まるんだ」

彼はなんどもそう云った、

「今日からこの仕事は僕個人のアルバイトではなくなった、きちがいじみた破壊と惨虐……僕は大陸の戦場でそれをこの眼で見ている、……その破壊と惨虐とを償なうために、僕はこの研究を捧げるよ」

彼は唆られるような態度でしきりに書斎の中を歩きまわった、

「どうかこれからも僕をたすけてくれたまえ、それから、もう一つ相談があるんだが……」

そう云いかけて、しかしそのまま口をつぐんでしまった。

今年の二月になって、上諏訪へ休養旅行をしようという話が出た。昌子はその口ぶりから、終戦の夜「相談がある」と云いかけて止めた言葉のあとが、その旅行のあいだに話しだされるだろうということを感じた。計画はいろいろな理由で延び、ようやく実現するはこびになったのだが、そして兄たち夫婦に祝われて家を出たのだが、出発の一歩てまえで中止されてしまった。