輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

よっかのあやめ

四日のあやめ

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《四日のあやめ(よっかのあやめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,200 字 · 38 頁

青空文庫

――伴六はひどく昂奮していた。外が明るいので顔はよくわからないが、握っている両の拳がふるえているし、その声も平生とはまるで違うように聞えた。

「今日は非番なものですから、まだやすんでおりますけれど」

「ではこうお伝え下さい」と伴六は云った、「とうとう徒士組と衝突しました。場所は籠崎の大洲、時刻は六時です」

千世はくっと喉が詰った。伴六はなお、自分はこれから土田と唐沢へまわるが、刻限が迫っているからすぐ起こしてくれるようにと云い、門の外へ出ていったと思うと、(そこに繋いでおいたのだろう)馬に乗って駆け去るのが聞えた。戞々というその蹄の音が聞えなくなるまで、千世は動くことができなかった。

――大変なことだ、大変なことになった。

彼女はふらふらと立ちあがった。

「あの方たちは良人を頼みにしている」と彼女は呟いた、「良人もあの方たちが自分を頼みにしていることをよく知っている、早く起こして知らせなければならない」

彼女は廊下を寝間の前までいったが、そこで急に立停った。何十人という多勢の人たちの、激しく斬りむすんでいる姿がふと眼にうかんだのである。ぎらぎらと閃光をとばす刃や、つんざくような叫喚や、そして、血に染まって倒れる姿までが、……その群の中に良人がいる、五大主税介の蒼白くひきつった顔がこちらへ振返る。