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こくさいさつじんだんのほうかい

国際殺人団の崩壊

海野 十三

線上閱讀海野 十三《国際殺人団の崩壊(こくさいさつじんだんのほうかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,767 字 · 31 頁

青空文庫

と言った。そして急に立ちあがって「ちょっと便所へ……」と隣席の川山博士に耳うちをすると、席を立った。そして入口の扉をあけて室外に出ると、

「先生、なにも変ったことは御座いません」と、今夜の警戒の第一線に自ら進んで立っていた松ヶ谷学士が、いきなり博士に顔を合わせて、こう囁いた。

「わしは便所へ行って来る、よろしく頼むぞ」博士は、例の調子で呻くように言うと、そろりそろりと便所のある方へと足どりを搬んで行った。会合室内では蓑浦中将が立って、

「唯今、協会長の御説明のあった最近の奇怪なる事件につきまして、私の……」と、そこまで話をすすめて来たときに、どうしたものか、グローブの中の電燈が、急に二倍もの明さに輝いたかとみる間に、スーウという微かな音をたてて消えてしまった。それだけのことであった。別に爆発物の破裂しそうな煙硝の匂いもしなかったし、イペリット瓦斯の悪臭も感じられなかった。座中の或る者が、

「唯今、私が給仕を呼びますから」と言ったので一同は子供のように立騒ぎはしなかったが、いずれも内心の不安をかくすことが出来なかった。声をかけた人は、そろりそろりと扉の方に近づいて行った。