輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

とち

土地

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《土地(とち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,719 字 · 22 頁

青空文庫

凉しくなってええ。一降りざあーっと来なくちゃあ、暑くてとてもやりきんねえ。」

額の汗を前腕の袖で拭きながら、彼は親父の方をじろりと見やった。

「仕事が後れるじゃねえか。」

「少しくれえ後れたって何でもねえや。こんなに広い荒地だもの。身体でも痛めちゃあつまんねえ。」

「若えくせして、意気地のねえことを云うんじゃねえよ。」

「それでも、一体いつになったらこれが済むことか、分りもしねえからな。」

「仕事のあるうちがええんだ。」

「だがこんな仕事つまんねえな。」

「何がつまんねえ? このままにしておきゃあ、何の役にも立たねえ荒地だ。それをこうして拓えてみねえ、一段歩に何俵という米が出来るじゃねえか。」

「それがおいらの地所だったらなあ!」

「地所は旦那のものでも、仕事はおいらのものだ。よく考えてみねえ、後々まで残る立派な仕事だ。」

音吉は何とも答えないで、荒地の広さを目分量ではかっていた。平助は眼を外らして、遠く山々の頂に覗いている入道雲を、その山壌に立昇る一筋の煙を、また広々とした平野の上を、遙に眺めやった。ぎらぎらとした光が一面に漲っていた。彼は眩しそうに眼を瞬いた。