輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ちじょう
地上
島田 清次郎
線上閱讀島田 清次郎《地上(ちじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 175,250 字 · 350 頁
士族町の土塀がつきると街は右の小路に折れた。貧しい歪んだようなあたりの人家にはもう赤い灯がついていた。二階建の、店先二間あまりに硝子戸をいれて「マニラ麻つなぎ、男女募集」と書いた紙を硝子に張った家だけはまだ灯がついていなかった。深井はその家の前で立ち止まった。
「ここの二階ですよ、大河君」
平一郎は黙って二階を見上げた。同じように硝子窓をいれた二階の窓は暗くてよくは分らないが、硝子越しに真紅の窓掛が見える。
「はいろう」と平一郎は言った。
「尾沢さん! 尾沢さん!」深井の声が響いた。すると二階から「だあれ」という男の濁った返事がした。
「僕です、深井です」
「深井君か※(疑問符感嘆符、1-8-77) はいりたまえ! 今、社(新聞社)の方から帰って寝転がったところだ。はいりたまえ!」
ぱっと二階に電燈が点された。窓硝子に真っ赤なカーテンが燃えるような真紅の色を染め出した。二人は横手の戸を開けて、暗い上り口の板張りから、すぐに二階へあがった。天井の低い薄汚ない二間を障子をはずしてぶっとおしてある。奥の方に机、書棚、火鉢、壁際に小さい西洋風の木の寝台、窓の真紅なカーテンに照りかえす電燈の赤光を浴びて、背の低い、額の広い、眼球が見えないくらい窪んだ眼、やせた頬、――の二十四、五の青年が厚ぼったい筒袖の綿入を着て坐っていた