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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地底戦車の怪人(ちていせんしゃのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,000 字 · 111 頁
「あはァ、それで、飲むつもりで、かくしていたのか」
「はい。ところが、あのとおり、戦車の中で、あっちへ、ごろごろ、こっちへごろごろごろんとやっているうちに、缶がこわれて、鯨油がズボンの中へ、どろどろと流れだして、こ、このていたらく……」
「なんだ、そんなことか。お前は、幸運じゃ」
「軍曹どの。からかっちゃ、いかんです」
「からかっちゃおらん。もしもその脂がお前のからだから流れ出した脂だったら、今頃はどうなっていたと思う」
「へい。どうなっていましたかしら」
「わかっているじゃないか。そんなに脂がぬけ出しちゃ、お前は今頃は冷くなって、死んでいたろう」
「冗談じゃありませんよ。はっくしょん」
さっきから、傍で、あきれ顔で、二人の話を聞いていた沖島速夫が、
「ピート一等兵。早く、前をしめろ。風邪をひくじゃないか」
「へーい、指揮官どの」
氷原
呑気な二人のアメリカ兵には、沖島も、すっかり呆れてしまった。
そのうちに、一旦とまっていた戦車の天井の、とーん、とーんという音が、また聞えだした。
とーん、とーん。
「あ、また始まった」
ととーん、とーん。
「おや、あれは、モールス符号だ」